一般的なアレルギー疾患の治療法は、症状を抑えるような治療が主体となっているため、薬をずっと飲まなくてはなりません。アレルギー免疫療法は、減感作療法とも言い、アレルギーの原因である「アレルゲン」を少量から投与することで、体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を和らげていきます。根本的な体質改善も期待できます。注射と舌下投与などがありますが、当院では舌下療法を行なっております。
対象
花粉症、アレルギー性鼻炎の診断がついていて、ダニまたはスギ花粉が原因である場合
受けられない方
- 重度の気管支喘息の方、悪性腫瘍や免疫系の病気のある方
要注意の方
- 過去にアレルギー免疫療法で副作用を起こしたことのある方
- 65歳以上の方、妊婦・授乳中の方
- 口腔内に傷や炎症のある方
- 重度の心疾患・高血圧・肺疾患のある方、非選択的β遮断薬、抗うつ薬、モノアミンオキシダーゼ阻害薬を服用中の方。
開始時期
スギ花粉症の場合は、飛散時期には開始できないため、10月頃までに開始することが必要です。ダニアレルギーの場合は年間を通して開始できます。
治療期間
3〜5年程度
効果
およそ80%の人に効果があり、そのうち20%の人は症状が出なくなり、残りの60%の人も症状の改善を認めています。ただ、20%ほどの方には効果が認められませんでした。 治療開始後数ヶ月で症状が徐々に減っていくことが期待でき、症状を抑えるための薬の使用量も減らすことができますが、3〜5年は続けることが推奨されています。治療終了後も長期間治癒が続くことも期待できますが、加療中止後に再燃することもあります。
治療手順
- 初回受診 お電話でご予約ください。(小児科のお子さんはweb予約可)
問診とアレルゲンの検査(これまでに検査済みであれば、結果の持参でも構いません)を行います - 約1週間後に再診 初診時にご予約をお取りします
血液検査の結果説明、アレルギー舌下免疫療法の説明を行い、舌下投与を開始します。初回投与時は、院内で投与を行い、アレルギー反応が起きないことを確認するため、30分間院内で様子を見ます - 1週間後に、再診していただき、投与時のトラブルの確認、薬の増量を行います。
- その後は1ヶ月おきに受診して、投薬の継続や副反応の確認を行います。
- 一般的には3〜5年間の継続が推奨されます
副作用
現在までに報告されている副作用は下記の軽微なもののみですが、アナフィラキシーショックが発生する可能性は否定できません。
例)口内炎・舌の腫れ・口腔内の痒み・不快感、唇の腫れ、喉の痒み・不快感、頭痛、耳の痒みなど
アレルギー舌下免疫療法をご希望の方は、まずは電話にてご予約下さい。