ニコチンの依存症はクリニックで治療できます
喫煙の害は理解しているつもりでも、なかなか禁煙できないのは、自分の意志の弱さだけにあるとお考えではないでしょうか。禁煙出来ない最大の理由は、ニコチン依存による、「ニコチン依存症」という病気のためなのです。
ニコチン依存症とは
禁煙を始めると、これらの症状は始めは強く現れますが、次第に治まっていきます。
禁煙は治療の有無にかかわらず様々な症状(気分が落ち込む、あせりを感じる、不安を感じる、死んでしまいたいと感じる等)を伴うことが報告されています。
また、もともとこのような症状がある場合は、その症状が強く出ることがあります。気になる症状が現れたら、ご相談ください。
健康保険等の適用について
~健康保険等で禁煙治療を受けるには~
ニコチン依存症や喫煙年数のチェックで、健康保険等で禁煙治療が受けられるかどうかが確認できます。禁煙治療を検討している方は、一度チェックしてみてください。
健康保険による禁煙治療について
当院では、保険診療による禁煙治療を行っています。
下記の5つの条件を満たしている方が保険対象となります。ご不明な点がありましたら、お問い合わせください。
- (1)ニコチン依存症を診断するテストで5点以上
- (2)35歳以上で、ブリンクマン指数(=1日の喫煙本数×喫煙年数)が、200以上である方
※2016年4月から、34歳未満に対しては、喫煙本数と喫煙年数による指数の条件が撤廃されました。 - (3)1ヶ月以内に禁煙を始めたいと思っている方。
- (4)前回の禁煙治療の初回診療日から1年経過していること。
- (5)禁煙治療を受けることに文書で同意して頂けること。 同意書ダウンロード
禁煙スケジュール
- 問診等を行い、禁煙治療についての説明・スケジュールの確認、診察、一酸化炭素濃度検査(※)などを行い、内服の処方を行います。
- 内服開始後の1週間はタバコを続けても良いですが、そのころには徐々にタバコを吸いたいと思わなくなってきます。内服の副作用がないかを確認します。
- スケジュールに従って通院してください。毎回一酸化炭素濃度検査を行い、禁煙治療が順調に進んでいるかの確認を行います。スケジュールに沿った内服処方があります。
- 12週間でプログラム終了です!再び喫煙しないように生活習慣の見直しなども行っていきましょう。
※一酸化炭素濃度検査とは?
一酸化炭素はタバコの煙に含まれる代表的な有害物質です。 機械に向かって20秒ほど息を吐くだけでその有害物質濃度の測定ができます。
禁煙により、息に含まれる一酸化炭素濃度が減少していきますので、毎回の測定結果を比較することで禁煙の効果を実感できます。
禁煙治療のメカニズム
= チャンピックス(一般名:バレニクリン)について
今までに発売されていた禁煙補助薬として販売されていたニコチン補充剤(禁煙パッチやガムなど)は、禁煙時のイライラなどが生じるのを和らげる薬剤です。ニコチン依存症の治療薬としては、2008年に保険治療適応となった経口禁煙治療薬「チャンピックス」があります。
チャンピックスの2つの効果
チャンピックスは禁煙のための内服薬です。
タバコを吸うと、脳にあるニコチン受容体という部分にニコチンが結合して、快感を生じさせる物質(ドパミン)を放出させます。
チャンピックスは、この受容体に結合することで、ニコチンの場合より少量のドパミンを放出させて、イライラなどのニコチン切れ症状を軽くします。
また、ニコチンが受容体に結合するのを邪魔して、禁煙中に一服してしまったときの“おいしい”といった満足感を感じにくくすることにより、禁煙を助ける薬です。